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映画「ラ・ラ・ランド」

 言わずとしれた今年の大ヒット作。近所のシネコンでいつか見ようと思っているうちに気がついたら、大スクリーンで見られる最終日になっていた。しかも1日1回レイトのみ。夕食後「ちょっと、映画見に行ってくるわ」と言ったら、夫も「ラ・ラ・ランド」なら見たいというので二人で行くことになった。これが先週の木曜日。平日のレイトでもそこそこの入り。

 俳優、ミュージシャンを夢見る男女の集まる街、ロサンジェルス。映画会社のビルのコーヒーショップで働きながら、オーディションを受け続ける女優の卵、ミア。レストランで雇われピアニストを務めながら、いつか自分の好きなジャズを演奏できる店を持ちたいと願うジャズピアニストのセブ。二人が初めて出会ったのは、渋滞するハイウェイの上。このオープニングのハイウェイの車の上で踊りまくるダンスシーンがすばらしい。これでぐっと引き込まれる。

 その後、何度かの偶然の出会いから、二人の間に恋が芽生え、お互いの夢を励まし合う間柄になる。オーディションに落ちてばかりだったミアはセブの勧めで一人芝居の脚本を書き始める。一方、セブは昔の仲間のバンドに加わり、人気が出て来てツアーに忙しくなる。久しぶりに戻ってきたセブに「それがあなたの本当にやりたかった音楽なの?」とミアがきつい言葉を投げかけたことをきっかけに気まずい関係に。また、ミアの渾身の一人芝居はさんざんの結果となり,失意のミアは故郷のボールダーに戻る。

 しかし、この芝居を評価してくれていたキャスティングディレクターから連絡が入り、見事、役を得たミアは映画の撮影のためにパリに発つ。

 5年後、成功した映画スターとなり、夫と娘と共に暮らすミア。彼女が夫とともに足を踏み入れたジャズの店。それは、やはり夢を実現させたセブの店だった。二人が夢を育んだ1年間、その愛は実ることはなかったけれど、それぞれが手に入れたかったものは手に入れた。もしもあの時、愛が続いていたなら・・・そんな回想が走馬燈のようにめぐる。

 ストーリーはどちらかというとありきたりなんだけど、ちょっとレトロでシンプルな衣装、親しみやすいメロディと華やかなダンスシーン、見事な撮影による映像の魔術にうっとりと浸る。

 数々の過去のミュージカル映画を彷彿とさせるシーンが挟まれているところも楽しい。私はそのオマージュを捧げられている作品をそれほどたくさん見ていないのだけれど、そう、その元ネタを知らなくても十分に楽しい。大人のメルヘンですね。明るく楽しく、ちょっとセンチメンタル。アカデミー賞の作品賞はさすがに逃したけれど、監督賞、主演女優賞などいくつもの賞を受賞したのもうなずけます。テレビでやってくれたらまた見てもいいかな。